ゆずちゃん

四川の大地震の被害は毎日のように伝えられています。今日の小学校での読み聞かせは何にしようか?と思ったときに、夫の母が送ってくれた絵本

「ゆずちゃん」肥山美代子•作 石倉欣次•絵

ゆずちゃん (えほんとなかよし)

ゆずちゃん (えほんとなかよし)

が浮かびました。これは13年前に起こった阪神淡路大震災のある出来事を、たいちくんとゆずちゃんという仲良しの二人を軸に描いています。たいちくんは生き残り、ゆずちゃんは天に召されてしまいますが、その厳しい現実をほんわかしたタッチでさらりと描いたお話です。こどもたちは、四川の様子をどうとらえているのでしょう?あまり刺激が強いと、読むのはどうかしら。。迷いました。。私は震災の時、ちょうど奈良にいて、地面が水になったような揺れを体験しました。そして高校の同級生を1人亡くした。彼は神戸大学の法学部の大学院に通っていて、シンクタンクに入る夢がありました。お葬式のあと訪ねた彼のお母さんの肩を落とした様子。お母さんの中では、今もあの地震はまだ終わっていない。。そう思うと、これはあれこれ考えずに読もう!と決心しました。

こどもたちはニュースで四川の地震のことを知っていました。だからかとても真剣に、しぃーんとして、聞いてくれました。「おおきくなったらなにになりたいですか?」とせんせいがきく場面では、こどもたちが口々に答える職業に、「あ、わたしとおんなじだ」と反応するこもいました。ゆずちゃんは「ふうせんやさん」になりたかった。たいちくんは「うちゅうひこうし」でした。お話が終わって、「これは13年前のお話だから、いまたいちくんは20歳くらいの大人になっているかなぁ。たいちくんは、もしかしたら今、四川で傷ついた人を助けようとしているかもしれないね。たいちくんは何しているだろうね。」と話すと、「レスキュー隊になってるよ!」と言う子もいました。「この本、学級文庫にあるよ!」と後で持ってきてくれる子も。。何を読もうかな?とあれこれ考えますが、本の力とこどもたちの力に委ねればいいのですね。。

もう一冊読んだ本
「コートニー」ジョン•バーニンガム作 谷川俊太郎

コートニー

コートニー

息抜き?にと読みました。最後に、こどもたちの乗ったボートが流され、誰かが、何かがロープをひっぱって助けてくれるのですが、それはなにだったのか?謎のままお話が終わるけれど、「きっと、コートニーだよ!」と子どもたちは推理していました。

追記
息子が、最後ボートが岸について家族がだきあっている背景の崖の上に、コートニーを発見!教えてくれました。ほんとに小さい姿で描かれていて注意しないと見えないでしょう。文字になじんでしまうと、こういう気づきをしないまま見過ごしてしまうのかも。心にくい演出だなぁ。。バーニンガムが、にやり、と笑っているような気がした私でした。