銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜

銀河鉄道の夜

銀河鉄道の旅の後半。朝、こどもたちの1分間スピーチがのびて、時間が10分少々と、短くなったので、急遽サギとりの男の箇所と、新世界交響曲の鳴る箇所をとばした。そのためか、カムパネルラの「お母さんはぼくを許してくださるだろうか?」というテーマがより濃くなっていった気がした。けれども、教室で真っ黒に日焼けしてくりくりとした目のこどもたちを前に「みんなのためになるなら死んだってかまわない。」というジョバンニの言葉を発した時に、かすかな違和感がよぎる。

競争に勝って生き残ることこそ善、強いものがよいと肯定されいる社会。。そこに生きるこどもの鏡を通して「みんなのために死んだってかまわない。」という言葉がよそよそしく響き、さそりも、女の子と家庭教師も、弱々しく敗者の姿となって映った気がした。それに抗して何か伝えるだけのものが自分にないことを恥じる。最前列では、サムエルくんが「ハレルヤ」という歌をくちずさんでくれたり、とても気の強いカクタさんが椅子を正面に持ってきておおきな目で見つめていたりしたんだけれども。。
最後にいつも感想を言ってくれる女の子が「おかあさん思いだなと思いました。」と。一瞬そこが核心じゃないんだけれどなと思ったけれど、よく考えればその女の子の言う通りだった。。

聖句「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」ヨハネ15:13