折口信夫『神の嫁』

折口信夫 『神の嫁』を読了。


この物語は、横佩大納言(藤原豊成)の姉姫行方不明事件から、着想を得て書かれたようです。

内容を、ざっくりとまとめてみました。(斜め読み、ご容赦ください)

―失踪事件当日―


横佩大納言の家の女たちが、高円山から東大寺南大門あたりまで、野遊びに出かけた。帰ってみるとずっと一緒だったはずの姉姫の姿がない。大騒ぎして、人々が姉姫を探す。

亥の刻(午後10時前後)、三条大路に杖をついた、不気味な嫗が現れる。
(記述はないが、姉姫は意識のない状態で、この時刻あたりに発見されたと思われる)

ー8日後ー

姉姫の意識が戻る。枕元では、先の嫗が、姫に憑依した精霊を追い払い、外へ出てしまった魂を身体に戻すための呪文を唱え続けている。姫の目は開いたが、口がきけなくなっていた。彼女は、意識を失っていた間、会っていたお方(男性神、姫が嫁いだ相手)を想っている。

姫の口のきけない訳を、嫗が子供を呼んで来させて、その子供に、そこにいる神を降ろして尋ねる。それは春日大社の神(姫の夫)と名乗る。神は、「口のきけないのは、俺のせいではないとは言わないが、理由は本人に聞け」と言い、帰っていった。

―1月後―
都では、遣唐使が戻り、それが引き金となって、疫病が蔓延し始める。バタバタと人が死んでいく。

その頃、横佩大納言が、娘である姫の部屋から届いた手紙を受け取った。そこには、
「私の身体を疫病の神に捧げ、世の中の人を救いたい。私を大路へ棄ててください」
と書いてあった。

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学生時代に10年ほど奈良で過ごしたので、懐かしくなり、地図で登場する場所を結んでみた...