ベロ出しチョンマ

そろそろ落語三昧も終りにして、次に何を読もうかと探すと、このごろ絵本を探すのをさぼっていたせいでなかなか出会えません。先生達から地元の昔話をというリクエストもあったので、いくつか見ていた中で斎藤隆介さんの

ベロ出しチョンマ (新・名作の愛蔵版)

ベロ出しチョンマ (新・名作の愛蔵版)

を選んでみました。「はるかな国の兄弟」は、圧制者からの解放がテーマの1つになっていましたが、この「ベロ出しチョンマ」も、日本の江戸時代を舞台とした同じテーマに属するものと言えるかな。千葉県の花和村が舞台ですが、この村は実在しないようです。けれども、似た話はきっと全国各地にあるのでしょう。実際、私の生まれ育った土地にも、今城宇兵衛さんという人がおり、享保19年の大飢饉で、年貢の引き下げの直訴をしようとして発覚し、はりつけになりました。宇兵衛さんが普請に尽力した川の側の、私が通った小学校の隣に社がありました。この「ベロだしチョンマ」長松(12歳)のお父さんもまた、洪水、日照り、地震で飢え、重い年貢に堪えかねた村を代表して直訴をし、一家もろともはりつけになってしまいます。

以前、今村昌平監督の「ええじゃないか」

を見た時にも江戸の昔から結局のところこの国の体質は実は全然変わっていないのじゃないか?ということを感じました。野田首相は、消費税をあげる法案を今年度中に出すことをG20で公約。この疲弊した時に、広く搾り取れということを踏襲しているように見える。

子ども達は、結構入りこんで耳を傾けてくれました。。