ユタと不思議な仲間たち

息子は去年引っ越してきた小学校で、生まれてはじめて学芸会なるものを体験しました。5年生はライオンキングを短くまとめた劇。息子が演じたのは猿のラフィキ。発した台詞は2言だったけれど、よい思い出になったのではないかな。。ここからは劇団四季の劇場も割と近く、よい演目があったらぜひ生の演劇を見せに行きたいなと思っていました。そんな折東日本大震災後、劇団四季がチャリティーとして東北各地の学校を巡って公演した「ユタと不思議な仲間たち」を、この地でも12年ぶりに公演すると知り、見に行ってきました。

物語は、東京で暮らしていた小学6年生の勇太「ユタ」が、父を亡くしたことがきっかけで母の郷里の岩手に引っ越してくるところからはじまります。けれど新しい学校では村の子に「もやしっこ!」「おんなみたいなやつ」といじめられる毎日。そんなユタは、ある日おじいさんが満月の晩に会えると言った座敷わらしに会ってみようと一人、大黒柱のある座敷に寝てみるのです。そうして出会った5人の座敷わらし。。彼らは東北地方をかつて飢饉が度々襲い、親が育てきれず、捨てられたり、産声をあげる前に「お返し申す」と殺されたりした、幼い子どもの魂でした。。その座敷童とユタは仲良くなり、彼らに鍛えられやがてたくましく成長する。村の子ども達とも友達になっていく。

息子も今度の春でちょうど6年生です。引っ越してきてから友達が沢山できるまでには、やはりユタのようにいろいろな出来事、くぐり抜けたと言えることがありました。その姿とも重ねながら、隣の席の息子の横顔を見ながらの観劇となりました。