12月の本棚

三国志絵本 十万本の矢 (大型絵本)

三国志絵本 十万本の矢 (大型絵本)

三国志絵本 空城の計 (大型絵本)

三国志絵本 空城の計 (大型絵本)

三国志絵本 七たび孟獲をとらえる (大型絵本)

三国志絵本 七たび孟獲をとらえる (大型絵本)

怪物の本 (世界の民話館)

怪物の本 (世界の民話館)

  • 作者: ルースマニング=サンダーズ,Ruth Manning‐Sanders,西本鶏介
  • 出版社/メーカー: ブッキング
  • 発売日: 2004/08/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 2人 クリック: 2回
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旅のはじまり (黒ねこサンゴロウ 1)

旅のはじまり (黒ねこサンゴロウ 1)

新版 指輪物語〈1〉/旅の仲間〈上〉

新版 指輪物語〈1〉/旅の仲間〈上〉

11月の本棚

新しい環境でのペースをつかみかねて定まりませんが、しばらく息子が読むように図書館で借りた本をのせていこうかな。。10歳の息子は漫画派で自分から本を手にとるということはなかなかないのですが、借りて目につくところに置いておけば読むかな〜?と。。

竜の本 (世界の民話館)

竜の本 (世界の民話館)

  • 作者: ルースマニング=サンダーズ,Ruth Manning‐Sanders,西本鶏介
  • 出版社/メーカー: ブッキング
  • 発売日: 2004/06/01
  • メディア: 単行本
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この世界の民話シリーズは、この夏はじめて借りてみた
世界の民話館悪魔の本

世界の民話館悪魔の本

がきっかけ。寝る前に読んでいたら、途中から私のペースが待ちきれなかったようで自分で読むように(作戦α成功)。悪魔というテーマで集められた1話1話はそれほど長くありません。「昔話の力」すごし、息子のツボにはまりました。「かあちゃん、この話面白いよ!」と言いながら「竜の本」は自分で読んでいました。。
やまねこの島 (黒ねこサンゴロウ 3)

やまねこの島 (黒ねこサンゴロウ 3)

さんごろうシリーズ、私がよく拝見していたブログで息子さん(中学生)がよく借りてきたという話を読んでいたので手にとってみました。船乗りさんごろうの、どこにも属さない自由さやミステリアスなかっこよさが男の子にはぐっとくるのでしょうか。何日かかけて夜読んだら最後の章は、「きょうはおいらが読むよ」と読みました。(私は不覚にもそれを聞きながら爆睡してしまったのですが。。)
雨やどりはすべり台の下で (偕成社文庫)

雨やどりはすべり台の下で (偕成社文庫)

夏休みの終わり、同じアパートに住む子ども達10人が、公園でキックベースをして遊んでいると突然の雨降りにあいます。かけこんだ大きな台形の滑り台の下のまるい空間(表紙の絵)。。雨の直前ふいに目の前に現れたアパート201号室雨森さんはもしかしたら魔法使いかもしれない。。と雨のやむのを待ちながら、こどもたちはそれぞれ雨森さんの絡む、夢か現かわからない自分の物語を語ります。。トップバッターの男の子は、何年か前に引っ越してきたばかりの頃、1人ぼっちのベランダで「まえのところのほうがよかったな。。」とつぶやいたことに「ここもそうわるくないよ。」と突然返事がかえってきてその夜公園で不思議なことに遭遇します。無口で人付き合いのない雨森さんに、見守られてさりげなく背中をおしてもらっていたことを段々子どもたち(読者も)はわかってきます。雨森さんが遠くへ引っ越してしまうことを知って今度はこどもたちが企画した不思議なこととは。。

今のこども達は、背景に描かれた日常をとても身近に感じるんじゃないでしょうか。それは岡田さんが小学校の図工の先生として子ども達と日々過ごしてこられたからと思えます。読み手のこどもの日常とファンタジーがつながっていると感じられること、(勉強机の引き出しのタイムマシンみたいに。。)これはすごく魅力でしょう。この本も最後の章は息子が読みました。そのバックで「ほたるの光」を歌ってみると、その場にいるような気持ちになって私一人で先に読んだ時よりもずっと心動かされました。。

海底二万里

10歳の息子と一緒に、今眠る前の一冊として読んでいるのは。。

海底二万里〈上〉 (岩波文庫)

海底二万里〈上〉 (岩波文庫)

これは私自身の子ども時代に手にとっていたものではないのですが、男の子を子どもに持つことの醍醐味の一つは、自分が触れなかった別の世界に出会うことでしょうか。。1章ずつ読み進んでいますが、正直長くて、アロナクス先生の弁舌は時に頭がクラクラするし、読む側としてはちょっと苦しいなぁと思っていました。。しかし毎晩「二万マイルつづきは!」と言う息子は結構楽しんでいるようです。「上」の16章まできましたが今のところ登場人物に全く女性が居ません。。そして勝手に深海へ降りていく物語だと思っていたけれど、今のところは水深10m〜50mくらいの所に居ます。。先日
ヒューゴの不思議な発明 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

ヒューゴの不思議な発明 ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray]

というフランスが舞台の映画を見たのですが、この映画に出てくる貸本屋のおじいさんがヒューゴにすすめる本も「ジュール•ベルヌ」でした。まさに今もなお、フランスが誇る代表的児童文学なんですね。本を読みながら、西洋式の科学的な議論、推論の基本的仕方や、その雰囲気を子ども達は感じ取っていくのかなぁなどと思いました。個人的にはちょうど「イシ」を読んだばかりということもあって、イシの世界とは対極のものの考え方に、どうしても反発を感じてしまいすぐに入りこめない部分もあったのですが、何日にもわたって旅をしていくうちにその世界に入りこみつつあります。

3つのなぞ

引っ越したここには、読み聞かせの活動はありませんでした。でも今度は読み聞かせ卒業目前の息子に毎晩本を読むことにしました。以前入っていた会で本当にいつもいい絵本を見つけて教えてくださるTさんが、お手紙でこの本を教えてくださいました。探してみなければ。。

3つのなぞ

3つのなぞ

あと、Sさんがメールで教えてくださったのは。。
野ばら―小川未明童話集

野ばら―小川未明童話集

これも探して読んでみなければ。。友達はありがたいなぁ。。

イシ

イシ―北米最後の野生インディアン (岩波現代文庫―社会)

イシ―北米最後の野生インディアン (岩波現代文庫―社会)

昨年の冬、カリフォルニアのゴリータを家族で訪問した時、宿舎の近くのマクドナルドへ息子と出かけました。でっぷりと太った中年の女性と、青白い顔をした青年の親子の客が私の目をひきました。一目でネイティブアメリカンの子孫だということがわかったからです。3週間の滞在中にヨセミテ国立公園まで足を伸ばしましたが、美しく荘厳なその谷にやはりネイティブアメリカンの暮らした住居跡の展示がありました。。もし行く前にこの本に出会っていたら随分と見方が変わっていたに違いありません。

1960年出版のこの本の1991年の日本での再版に寄せて、作者シオドーラ•クローバーと、その夫であるサンフランシスコ人類学博物館の文化人類学者アルフレッド•クローバーの娘にあたる人が序文を書いていました。最後の署名にアシューラ•K•ルグィンと読んだ時の私の衝撃を告白します。私は「ゲド戦記」が好きで、ルグィンの経歴にも一応は目は通したはずだったのに。いつもながらの自分の視野狭窄を恥じる気持ちと、でも出会えて本当によかったという気持ちとが入り交じりました。ゲド戦記に出て来る、太古の言葉を話す竜の描き方に、イシをはじめとした文化人類学の言語研究の影響があると思えば、物語の醸す不思議な厚みと重さが納得できます。またイシが最後まで自分の本当の名を明かさなかったこと(カリフォルニアインディアンが自分の名前を告げることはまずないものらしい。「イシ」とは「人」を意味するヤナ語でクローバーがつけた名。。)にも、「真の名」が創作ではなく実際のモチーフがあったことがうかがえます。古い古い、人類共通の根っことでも言えるものへの眼差し。。ルグィンの魅力の秘密を1つそっと教えてもらえたような読書体験となりました。。

本の前半は、北米の西海岸から山間にかけての古い歴史が展開され、そこに広く暮らしていたインディアンが、砂金を求めて東から続々と侵入してきた白人(サルドゥ)によってどのように絶滅もしくは文化的に完全に消滅させられていったかを当時の膨大な資料を元に明らかにしています。西欧人と、狩猟採集の人々との力の差は歴然で、公平に記述されるよう配慮されていますが、誰が見ても目を覆いたくなるような惨さです。。読み進みながら、苦労して西欧化してきた私たち日本人の姿や、また、日本の中のアイヌの人々、沖縄の人々、さらには今微妙な中国や韓国との関係と重ねずにはいられませんでした。イシは最後まで抵抗を続けたヤヒ族の一人で、数が10人を切るようになってからは山奥に潜伏しつつ何年も生活しました。その間に、白人は彼らが何千年にもわたって自然と調和して暮らした山河にどんどん牧場をつくり、畑をつくり、街をつくり、やがて最初にやってきたならず者たちの他に良識を持った人も住むようになりました。

本の後半は、そのイシが部族の最後の一人となり、死を覚悟して白人の前に憔悴しきった姿で現れ保護された後の話です。彼はアルフレッド•クローバーが館長を勤めるカリフォルニア文化人類学博物館で暮らし始め、西洋式の暮らし方を驚くほど柔軟にそして上品に受け入れました。やがて心を開く白人の友もでき、ヤヒ族の暮らしや言語、精神世界を人々に垣間見させてくれるようになります。しかし彼は西洋人のもたらした病気、結核に罹ってあっけなく亡くなってしまうのです。。

イシの整理整頓の仕方など、シオドーラ自身、日本人に通じるものがあると書いていますが、読んでいて彼の好みやもの作りへのこだわりなどに日本人に共感できるものが随所あると思えました。イシは、中国人を見て同じヤヒだと嬉しそうに言ったそうですが、日本人にも同じ感想を持ったに違いありません。特に本の冒頭の発見された当時のイシの写真を見て、私は父の顔にも似ていると思ったほどでしたし。。

一つの文化の継承が死にたえ、二度と取り戻せなくなるのはどういうことか、その最後の一人になるということがどんなに過酷な経験なのかが、イシの明るく安定した人柄(だからこそ生き延びたのだと思われる)が描かれることで逆により痛切に伝わってくる本でした。

イシ―二つの世界に生きたインディアンの物語

イシ―二つの世界に生きたインディアンの物語

こちらは少年少女向けにイシの一生を、イシが語らなかった空白を埋めるように、シオドーラがヤヒ族の世界観や暮らしから推察して生き生きと描き出した物語です。

おまけその1

手話教室の先輩3人と一緒に障害児クラスで紙芝居をやりました。私はおおいばりで川を渡ろうとしておっこちて、頭をぬってもらうそら豆の役。(実際、私は高校時代に教室から飛び出て入り口で頭を強打し、三針ぬったことがあるので適役だったかも?)

豆が好きでお家に沢山あるというKさんが色んな種類のお豆を箱に入れて持ってきてくださり、子ども達に見せると。。「絵かいてもいい?」と一人の女の子。何をするのかなぁと思っていると、あおまめ、きんときまめ、しろまめなどを並べて顔のようなものを机の上に。。一粒一粒をさわって確かめるように置いていました。耳の聴こえないKくんが教室を飛び出したので何かな?と見ると「外にえんどう豆を植えている」と教えてくれたのでした。ちょうど、豆の観察日記を皆でつけていたのです。。読み聞かせは大成功でした。。

皆さんのおかげで手話を習い始めて一度は手話で読み聞かせをしてみたいという夢をかなえていただけました。まぁほとんど身振り手ぶりで表現して手話は「大いばりで」や「はしをわたって」とかだけだったんですけどね。それでも大満足。教室を出る時、Kくんの背中を『がんばってね」とぽんとたたきました。

そうそう、この紙芝居の絵、私と故郷を同じくする長野ヒデ子さんだったのも嬉しかったのでした。たまたまMさんが選んでくださったのですが、それも1つの偶然でした。

スーホの白い馬

2年生。。私がここで読む最後に選んだ1冊はやはりこの絵本でした。もう何度もこれまで読んだので顔をあげ、子ども達を見回しながら。他に気をとられついてきていない子も、ゆっくりと顔を見つめて語りかけるとこちらに耳がかたむいてきます。あらこんな所で笑うんだねと子どもの感性を面白く思ったり、悪いとのさまには「バカだ!!」と怒りの声があがったり、最後はハンカチをにぎりしめた男の子もいて。。一緒に物語を味わいました。

スーホの白い馬 (日本傑作絵本シリーズ)

スーホの白い馬 (日本傑作絵本シリーズ)