10月前半の読み聞かせ

クマよ (たくさんのふしぎ傑作集)

クマよ (たくさんのふしぎ傑作集)

はじめての六年生の読み聞かせ。ピンチヒッターで入りました。六年生に何を読むのか、という時にすぐ思い浮かんだのが、司馬遼太郎さんの「21世紀を生きる君たちへ」だったのだけれど、あらためて読む時、まだ自分の中でこなれていない気がして、星野道夫さんのこの本にしました。思春期の混迷の中へ突入していく年頃。男の子も女の子も静かに座ってはいてくれますが、これは一筋縄ではいかないな、という面構えです。でも、その表面の下にあるもの、を感じました。星野さんの一生を簡単に紹介し、「浅き川も深く渡れ」他、私の印象に深く刻まれた星野さんの言葉をいくつか読んだ後、絵本に入っていきました。息をのんだような顔もあり、冷笑を含んだ顔もあり、あくびをこらえた顔もあり、でしたが星野さんにとっての心の中の友達がクマであったように、司馬遼太郎さんの友達が歴史であったように、一人一人の中に自分と深くつながる友達が見つかるといいなという思いをこめました。

元気がでる詩の本 元気がでる詩1年生 (元気が出る詩の本 (1))

元気がでる詩の本 元気がでる詩1年生 (元気が出る詩の本 (1))

1年生。かわいぃぃぃ、でいっぱいになりつつ読んだ。心と心が瞬時に直接的にやりとりできる六歳。心に覆いがかかっていない。未だ経験に曇らない心の本質リクパがのぞけているのかもしれません。詩を読んでみるとこれが大当たりでした。詩の力はすごい。「わすれもの」工藤直子、わすれものってしたことある?と聞くとほとんどが手あげる。ぼくたちがわすれものをすると叱るお母さんだって「あっ!」と忘れ物をするよねという詩。続いて、「胸に手をあててみて、しーっ、心臓のドッキン感じる?」と。何も音しないって子もいましたがそこで「こら!しんぞう」おうちやすゆき、を届けました。これも「こら」と読む度ころころと楽しそうな笑い声をあげつつ聞いてくれました。メインは先月も読んだ「たべられたやまんば」松谷みよこ。

ふしぎなおるすばん (えほんはともだち)

ふしぎなおるすばん (えほんはともだち)

きょだいな きょだいな (こどものとも傑作集)

きょだいな きょだいな (こどものとも傑作集)

1年生。詩から入るのが、意外によい。今日も詩から。さぁいっぱい息すって〜!はいてはいはいて〜!とやってもらってから

しんこきゅう 矢崎節夫

あんまり あおい そらだから
うーんと
しんこきゅう
あっ
ぼくの からだの なかを
くもが ながれて いくようだ
あんまり あおい そらだから
うーんと
しんこきゅう
あっ
ぼくの からだの なかで
とりが うたって いるようだ

次に左胸の中には何がある?「しんぞう!」とこどもたち。ちょっと手をあててみて。音が聞こえたらそーっと手をあげて。皆手のあがったところで。。

こら!しんぞう おうち やすゆき

しんぞうが
 ドッキドッキ
てをあてると
 ドッキドッキ

こら しんぞう
あんまり
ドキドキするなよ
それでも
 ドッキドッキ
きこえてくる
 ドッキドッキ

こら しんぞう
すこしは
しずかにしろ
ーちょっと しずかにしてよ

それから、「ふしぎなおるすばん」と「きょだいなきょだいな」へ。どちらも日常から非日常へ空想の飛んでいくもの。子ども達の目には、るすばんの部屋の中に突如ラクダがでてくる様や、はらっぱに巨大なトイレットペーパーが転がる様が映っているようでした。