まゆとりゅう

新年最初の、朝の読み聞かせに行ってきました。今日の空はぴっかぴか、少しずつ光が増してくる今の時期にふさわしい絵本を選びました。

現代のやまんばは、ジャムをつくったり、おしゃれでこんな風かもしれないなぁと面白く思いました。娘のまゆが、赤毛でちょっとポニョにも似てるなぁと思ったので、やまんばかあちゃんの台詞は、さっぱりしゃっきり、ポニョに出てくる宗介のお母さんを真似てみるとぴったりくるようでした。
ふしぎ ふしぎ (絵本といっしょ)

ふしぎ ふしぎ (絵本といっしょ)

こちらは、ミチコちゃんがお日様の光をコップに入れて、きつねやうさぎ、くまにわけてあげるお話。宮沢賢治の「注文の多い料理店」の序の言葉を思い出した私でした。

〜わたしたちは、氷砂糖をほしいくらゐもたないでも、きれいにすきとほつた風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗(らしや)や、宝石いりのきものに、かはつてゐるのをたびたび見ました。わたくしは、さういふきれいなたべものやきものをすきです。これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹(にじ)や月あかりからもらつてきたのです。ほんたうに、かしはばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかつたり、十一月の山の風のなかに、ふるへながら立つたりしますと、もうどうしてもこんな気がしてしかたないのです。ほんたうにもう、どうしてもこんなことがあるやうでしかたないといふことを、わたくしはそのとほり書いたまでです。ですから、これらのなかには、あなたのためになるところもあるでせうし、ただそれつきりのところもあるでせうが、わたくしには、そのみわけがよくつきません。なんのことだか、わけのわからないところもあるでせうが、そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまひ、あなたのすきとほつたほんたうのたべものになることを、どんなにねがふかわかりません。大正十二年十二月二十日〜