新年最初の、朝の読み聞かせに行ってきました。今日の空はぴっかぴか、少しずつ光が増してくる今の時期にふさわしい絵本を選びました。
まゆとりゅう―やまんばのむすめ まゆのおはなし (こどものとも絵本)
- 作者: 富安陽子,降矢なな
- 出版社/メーカー: 福音館書店
- 発売日: 2008/02/15
- メディア: ハードカバー
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- 作者: 片山令子,長新太
- 出版社/メーカー: 国土社
- 発売日: 1997/07/01
- メディア: 大型本
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〜わたしたちは、氷砂糖をほしいくらゐもたないでも、きれいにすきとほつた風をたべ、桃いろのうつくしい朝の日光をのむことができます。またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗(らしや)や、宝石いりのきものに、かはつてゐるのをたびたび見ました。わたくしは、さういふきれいなたべものやきものをすきです。これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹(にじ)や月あかりからもらつてきたのです。ほんたうに、かしはばやしの青い夕方を、ひとりで通りかかつたり、十一月の山の風のなかに、ふるへながら立つたりしますと、もうどうしてもこんな気がしてしかたないのです。ほんたうにもう、どうしてもこんなことがあるやうでしかたないといふことを、わたくしはそのとほり書いたまでです。ですから、これらのなかには、あなたのためになるところもあるでせうし、ただそれつきりのところもあるでせうが、わたくしには、そのみわけがよくつきません。なんのことだか、わけのわからないところもあるでせうが、そんなところは、わたくしにもまた、わけがわからないのです。けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまひ、あなたのすきとほつたほんたうのたべものになることを、どんなにねがふかわかりません。大正十二年十二月二十日〜