リトル•ミス•サンシャイン


久々に思いっきり笑った映画でした。ある家族の物語。構成。。ちょっと小太りで愛らしい7歳くらいの女の子。養老院から何かトラブルを起こして追い出されてきているおじいちゃん(ヘロインをすったりしてちょい悪)。そのおじいちゃんの息子の一家のパパ(自分が書いた人生の勝ち組になるためのノウハウ本の出版に必死)。パイロットの試験に受かるまで誰とも口をきかないことにした、熱烈なニーチェファンの15、6歳くらいのおにいちゃん、それとママ。そこへプルーストの研究者でゲイで学生との恋愛に破れ自殺未遂を起こしたおじさんが、妹であるママに病院から連れて来られるところから物語がはじまります。唯一、ママだけが誰ともそれなりにつながっているのだけれど、本当にすごいくらいに皆バラバラ。価値観がてんでバラバラで一つ屋根の下にいる。。それまでもバラバラだけど、おじさん、というまた違うパーツが入ることで家族に動く予感が生まれます。特にパパを嫌いぬいているおにいちゃんに、共感を感じてくれる大人としての役割が大きい。

さて、ミスコンテストにはまっているその家の女の子に、一本の電話がかかります。先日行われた地区のミスコンの一位が、カリフォルニア大会に出られなくなったのでくりあがりで出場資格が与えられるというもの。。さてどうする!!飛行機は高すぎて無理。おじいちゃんは「わしはふりつけをしとるんだ!死んでも行く!」と叫ぶし。じゃあ車でということになるが、自殺未遂を起こしたばかりのおじさんとおにいちゃんだけを家に残すのもできない。そこで家族全員が一台の黄色いワゴンに乗って出発することになるのです。途中、ワゴンのクラッチが壊れ、それからは全員でワゴンを押して加速させ、ある程度の速度になったところで皆が順番に飛び乗るという風になります。車がどこかへ立ち寄る度に繰り返されるそのシーンに涙が出るほど笑いながら、このドタバタぶり、どこかで知っている、そうこれって私の家族に近いわ!!と思ったのでした。

高速道路をひた走りながら、それぞれにドタバタしつつ会場へ向かう家族。途中に泊まったモーテルで、ヘロインを吸い過ぎたおじいちゃんが死んでしまうけれど、その死体を乗せてなおも会場へ走るところは、おかしいのだけれど泣けてきました。個人的なことだけれど、死んだ父の遺骨を抱え、夫と母と2歳の息子と4人、車で15時間かけて高速道路を四国の田舎まで帰ったことがあるのです。映画の終盤については、これ以上書くと見ていない方に悪いのでこの辺で。。この家族はきっと大丈夫だ。。と思える映画。よかったよ!と誰かにお勧めしたい映画でした。