人生は美しい

先に書いた2つは、私の手にあまるもので、正直うんうんと唸りつつ書きました。もう一度読み直すか、というところまでいきかけたり、自分の背丈にぴったりとする言葉がみつからず、エンドレスの書き直しの様相。でもこれはまず避けて通れない。今の時点で精一杯の形を掘り出せばいいと観念しました。

さて、コーヒーブレイクしたくなりました。フランクルが大切にしたユーモアの精神の結晶のような映画は、「ライフ・イズ・ビューティフル」だと思います。ご覧になった方も沢山居るでしょう。ささやかだけれど幸せで愛にあふれて暮らしていた家族3人、そのお父さんが主人公です。しかし戦争がはじまり突然、家族は全員強制収容所に送られました。そこで男と女は別に分けられ、父息子と奥さんは離ればなれになってしまいます。けれどお父さんは、持ち前の明るさと機転で、妻に愛のメッセージを送り、小さな息子には、いつもやっていたのと同じように、空想のお話をし、おどけて笑わせ元気づけました。最後まで書くと見ていない方に悪いのでこの辺りでやめておきます。このお父さんの姿に、ユーモアとはこういうことだよ、と教えられた気がしています。

もう一つ、ユーモアや笑いというものを考えさせられた映画に「ピエロの赤い鼻」という作品があります。ある中年のあまり風采のあがらない教師が主人公で、赤鼻のピエロの格好をして週末になるとパフォーマンスをしているのですが、ピエロというのは笑われ馬鹿にされるものでもあり、息子(たぶん11、2歳くらい?)はそんな父を好もしく思ってはいません。ちょうど思春期にさしかかりはじめた少年と父の関係。だけれど、映画が進むにつれ、なぜ父親がピエロの扮装をするようになったのか、先の戦争で父とある敵兵士の物語が、少年に明らかになっていきます。

どちらもとても、思い入れの強い作品だと感じました。「人生は美しい」ということを、色んな人が色んな形で表現しているのに出会います。さて今、日本で子供に向けて発せられている様々な情報に、この意味での美しさはあるだろうか?映画「DETH NOTE」が小学生の間でも流行っているのを見るにつけ、考えさせられます。