雪の女王

今日は2年生のクラス。紙芝居の舞台を、読書室から借りて用意しました。この枠があるのとないのでは、絵の生き方が違います。下読みをした際、15分持ち時間のうち1分ほどあまりそうだったので序曲として

より、ぱっと開いたところで「なくしもの」という詩を読んでみました。この詩にでてくる男の子は、買ってもらったばかりのものをなくしてしまったようで、お母さんの叱り声が妙にリアル。。続いて本日のメインはこれ。
雪の女王 (いわさきちひろ画紙芝居選)

雪の女王 (いわさきちひろ画紙芝居選)

先日、ちひろ美術館に行き、彼女の思い入れの深かった作家がアンデルセンであったことに触れていたので図書館で見た瞬間に選びました。
ちひろ美術館 : うそつき日記
後でこのクラスにお子さんのいるお母さんに会って聞いたところによると、このクラスは絵を見ないで聞くお話がずいぶん聞けるようになっているとのこと。この紙芝居も、約15分と長いのですが集中が最後まで全く途切れない様子だったのはそういう訳だったのかと納得しました。学年によっても、クラスによっても、同じものを持っていっても全く反応が異なり、工夫するのも面白いのですが、聞く下地のできているクラスはやはりやりやすいです。。

さて、ちょうどその2年生のクラスの隣が、息子のクラスで先に読みがはじまりました。そこでちらちらと見ていましたら、ベテランのOGさんです。絵本をまず開いて、表紙の裏に描かれている模様(ティーポット)の説明から入られており、これはさすがとうなってしまった。絵本作家は、その見開きの表紙の裏から意匠をこらして作りこんでいるのだと、確か西内ミナミさんの講演でうかがったことがありました。私はすぐ中身に入っていきがちだったわ。。

ラブレター

ラブレター

にもこんな一節があったのを思い出しました。彼女にお金を貸すために仕事内容を見に来た高飛車な態度の客に、自分が一番いいと思っている絵本を見せると、ぞんざいにぱらぱらと繰っただけ。そこで思わず

「絵本の見かたを教えてさしあげるわ」
わたくしは急に彼と対等の態度に変わってしまった。
函の絵をまず見て静かに開くと、表紙の絵が出てくる。そして背文字のところを通って裏表紙をながめてから開くのである。見返しの色が表紙に美しくうつって次のとびらに展開する。それから口絵、中のさし絵とはいっていく。このことを考えずに描く童画家はいない。
しかし、絵本を買って帰るやさしいおかあさんと、絵本を一番愛してくれるかわいい読者は、だれに教えてもらったわけでもないのに、表紙を見てから丁寧に一枚ずつページを繰って見てくれる。

補足)西内ミナミさんの講演を聴きに行って書いた記事
http://d.hatena.ne.jp/okanagon/20100531/1275273054