路傍の奇跡

路傍の奇跡―何かの間違いで歩んだ物理と合気の人生

路傍の奇跡―何かの間違いで歩んだ物理と合気の人生

夫が、帰ってきてこの本についてうるさくしゃべっていた時は聞き流していた。次の日テーブルの上にあったので、通勤電車で読んでみたら、降りたホームでも立ち読みしてしまうほど。この方の人生の抱腹絶倒の奇跡は、私には赤ん坊の著者を残し婚家を去ったお母さんの祈りがあったのではないかと思えて仕方なかった。そんなことは一言も書かれていないが。東北大、京大、名古屋大と渡り、スイス、岡山の女子大へ落ち着くあたりまでが一番面白かった。もしこんな大学院生が身近にいたら、本にも書いているが困った人と感じたかもしれない。でもこの方の場合は、大きな問題へ向かいたいという熱意と、そこを打開していくエネルギーと力があったのだ。そこへ手を貸そうと思わせる何かを持つ若者だったのだ。後半、大腸癌からの生還の解釈のあたりで、私は気持ちがそれてしまったが。。夫が、「これは今買わねば再版されないだろう。」と買ったものだったが、確かに出会った時に手にとらないとその機会をのがしそうな本だった。。