僕が居ない場所

久々に子供向けでない、映画を観た。ポーランドのドロタ・ゲンジェルザウスカという監督の作品。ネグレクト、育児放棄。。息子を田舎のおばあちゃん家へ送り出した後で選ぶにしては、タイムリーすぎて、箱ティッシュがなくなる位、泣いてしまった。母親が他者に依存し息子を拒絶することで加速度的に自分自身を失い損なっていくのに対し、男の子は損なわれない。。(現実だと回復不能なくらい損なわれ、荒れるでしょうけれど。そうだと美しい映画にはならないかな。。)彼と、それから廃船で友達になる女の子が、はじめはそうでもないのに次第にすごく魅力的に見えてくるのがマジックのようだった。映像が美しい。朝日ののぼるシーンなどとても瞑想的だった。
主人公があまりに美しく描かれているのを、現実的ではないと思った一方で、子供の奥深い内面には、そういうはっとするような美しい部分が確かに存在すると思った。
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是枝裕和監督の「誰も知らない」も思い出した。これは実話が元である。
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