1月の本棚

水死 (100周年書き下ろし)

水死 (100周年書き下ろし)

何故に年頭にこれか?たまたま2日に行った三越デパートの平積みで目にとまったのです。大江ファンの母に進呈するために買い、母が帰る前にと自分が先に読み終えました。性と暴力、この2つが小説の中に取り入れられるのは何でだろう?村上春樹の作品もそうだけれど。。一段深い脳の意識へ働きかけるため?

アンジェロ

アンジェロ

これを眠る前に息子と読みました。そうしたら何日かたって「おれがいなくなったら、おまえはどうする?おまえのことが心配だよ。」とつぶやいた息子が、もう一回読んで。。と。私もまた一人になった時に読み返しました。年老いたアンジェロには、家族はいないようです。彼は壁塗り職人で、大好きな仕事に打ち込んでいます。ある日、友達の鳩のシルヴィアができました。。息子のつぶやきは、アンジェロの台詞です。幸福な人生だなぁ。。と思いました。彼が最後に手がけた教会。長い年月がたちまた修復がはじりました。。壁にアンジェロが残したもの(作品)を見つけた若い職人は、そっとしておき手をふれません。。同じ職人として、その作品の語るものが伝わったのでしょう。。そのシーンにも感動しました。