出ていけ!こどもたち

2、3日前図書館をぶらぶらしていて、目に飛び込んできた表紙がこれ。おもむろに手に取って読み始めると、ぐいぐいひきつけられてやめられそうになかったので借りました。

出ていけ!子どもたち

出ていけ!子どもたち

松本さんのお宅は、男の子ばかり3人。天然酵母のパン屋を営みながら、長男をイギリスのサマーヒルへ、次男もアメリカのシュタイナー学校を経てサマーヒルへ、三男は北海道の農業高校へと次々とたたきだしていく実話。。これを書いた大阪のおかん、節さんの、いけいけどんどんぶりが、ちょっと私にも似ていて、共感を抱きつつ、いやもっとスケールがでかいので、凄い人はいくらでもいるもんやなぁ〜と思いました。でも、この家族ができあがる前に、ご主人をそそのかして脱サラさせ天然酵母パンの店をはじめる顛末を書いた本もあるらしいので、それも読んでみようかな。。

さて、私が子どもに望むことと、節さんが望むことは似ている。

自律した人間になること。。自由な人間になること。。

節さん流に言えば、人生は松竹梅のコースがあるかもしれんけど、松でも竹でも梅でも、楽しめる人になってほしいということかなぁ。。そこへたどり着くには、色々な道があるんだろう。。しかし、松本家がうまくいったのは、このご夫婦自身がすでに安定と言われるコースをはずれて、天然酵母のパン作りに飛び込んでいたからだ。。両親が格闘する背中を毎日見て育っただからこそ、剛くんはたった1人11歳でイギリスへ向かい、やっていけたのだ。。その家族が営む生活と切り離せない目に見えない何か、が最も大事であって、中学から外国へ1人で行ったという事実だけをとりだして真似することはできない。。と痛感もしたのでした。

あと、節さんのこんな言葉にも共感した私でした。

反省をこめていえば、私はいつも、やりたいことがあったら、そのときにやってしまう。よく言われるように、子育てが一段落してから何かをはじめるという発想は私にはなかった。やりたいときがやれるとき、そのときはいましかないと、いつもちょっときつくても動いてきた。子どもたちには、いい母親ではなかったかもしれないが、自分のやりたいことはゆずれなかった。母親としてより、ひとりの人間として向きあってきたつもりだ。

先に紹介したミドル•パッセージにも、自分の個性化を十分に行うことによってはじめて他者へ貢献できるということが書かれている。。母親は、子どもに対する責任はあるが、子どもにつくすことではなく、自分自身が個性化する責任を果たすことが結局は子どもにとっても夫にとっても社会にとっても、最もよいのだ。。と思う。

とはいえ、旅立つ息子を空港へ見送るシーンには、泣けました。行く方はあっさりとしたもの。。我が家の息子が旅立つのはまだ先だけれど。。「ずっとかあちゃんと住みたい」と今は出て行くなんて考えられもしない我が家だけれど。。今から少しずつどのように自律をサポートするか、手探りしていこうと思う。