にいさん

にいさん

にいさん

先週図書館で見た瞬間に借りた、いせひでこさんのこの絵本。テオが兄ゴッホへ語りかける形式をとった、ゴッホの魂への痛いほどの愛が、波のように読む者の心を揺さぶる作品でした。選びぬかれた詩のような言葉と、意識的に青紫と黄色を基調とした画。ゴッホの生涯をテオの目で追いながら、多くの資料を読みこみ、実際にゴッホの地を訪ね歩き、いせさんご自身の魂の格闘もそこにあるような気がしました。

くしくも、先日ツィッター志茂田景樹さんが、こんなことをつぶやいておられました。

まだ人生の半ばも行っていないのに、不遇を嘆くのか。ゴッホなんか、その名は今こそ栄光に包まれているけど、そんなこと知る由もなく不遇の極で生涯を閉じた。本人だって不遇を恨んだ。でも、やることはちゃんとやっていた。きみの場合、やることはこれからだろ。不遇は片付けて、ちゃんとやろうよ。

これは私自身に送られた言葉のように感じたものです。去年震災後に友人が突然「okanagonが好きかなと思って」と送ってくれたのは、やはりいせひでこさんでした。

ルリユールおじさん

ルリユールおじさん

友人の優しさが心に沁みました。ノンフィクション作家の柳田邦男さんが「大人にも絵本を」でいせひでこさんの絵本の素晴らしさ紹介しておられるのでこれまでも気にかかっていたのですが、私に時がきたようです。ごっそりつかまれてしまいました。

3年前に「あの路」という絵本をのせていたのを発掘。長いスパンでぐるぐるまわってます。。
11月の絵本 - okanagonの日記