サティさんはかわりもの

サティさんは かわりもの 
文/M.T.アンダーソン 絵/ペトラ.マザーズ 訳/今江祥智 安藤育枝

おびの文から
「いまから100年ほど前、エリック・サティは、パリの街を歩いていました。山高帽をかぶり、ネクタイをつけ、まともすぎるほど、まともに見えました。でも、はずかしそうなそのほほえみでのしたで、サティはずっと考えていましたー新しい音楽をうみだしたい。それまでの決まり事にはとらわれず、だれもきいたことのない新しい音楽を、と。」

お話の一文、一文がサティがどんな人だったかをまるごと伝えているような気がする絵本です。ふわふわした、サティがずっと子どもようなの心をもった人だったなんて知りませんでしたから、ほぉーっと思いました。サティといえば、ジムノペティ

「その優しい調べを聞いて うれしいのやら悲しいのやら だれにもわからなかった。子どもの夢の世界からのことづてを聞いたかのような気がした。」

そうだなぁ。。私は、ジムノペティを聞いていると夏か秋の日差しの下、コンクリートの広い空間に水がたたえられていてさらさらと水に光が反射している光景がうかびます。もしくは、ガラス窓に打つ雨が、雫となってつーっと落ちて行くのをじっと眺めているような。。

サティは、39歳になって学校で音楽を勉強します。それまでの自由な作曲があまりに人に受け入れられなかったために、考えをかえたのです。「きまりごとをやぶるには、まず、きまりごとをしらねばならぬ。」世の中はほとんどきまりごとで動いているので、サティは貧しく苦労の多い人生でした。が、本人は自由であの曲のようにほっとする静かな世界に棲んでいたんだろうなぁ。。